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Etude

2008.07.18 11:02|よみきりもの
※この作品はおとなの方向けです。ご了承の上お読みいただくか、受け入れられない方はご遠慮下さい。
Etude






時計はもうすぐ22時を回ろうとしている。
暗い道を街灯のほのかな明りが照らしている。
未沙は、ひとり、マクロスから家へと歩いていた。
この季節の夜風は冷たく、彼女の体に染み渡る。
しかし、冬の澄んだ空を彼女は嫌いではなかった。
『きれいね・・・』
無数の星が美しく煌いている空を見上げ、彼女は微笑んだ。

「おかえり」
玄関を開けて中に入ると、奥の方から輝の声がした。
「ただいま。ごめんなさいね、遅くなって」
リビングのドアを開けると、ちょうど風呂上りらしかった輝がいた。
「先に風呂入ったよ。もう晩飯は食べてきたんだろ?未沙も風呂どうぞ。
あとで一緒にワインでもどう?・・・・・・未沙?」
未沙が、自分を見つめたまま固まっているのを見て、不思議そうに彼女の顔を覗き込む。
「どうしたの?」
「う、ううん。なんでもないわ。・・それじゃ、お風呂入ってくるわね」
照れたような困ったような顔をして、そそくさと逃げるように部屋の奥へ入っていく。
「・・?・・ま、いいか」

未沙はドキドキしていた。
彼女が見た輝──風呂上りで、長袖Tシャツにジャージ、まだ少し濡れた髪を
後ろに流し、タオルドライしていた、というなんてことない姿だったわけだが。
大抵、彼がこういう状態の時は、彼女は交代で風呂に入っているわけで、
あまり見たことのない姿だった。
その姿に、いつもの彼とは違う彼を見たような気がして、彼女は戸惑った。
童顔に似合わないがっしりした、筋肉質の身体。
いつもは前髪に隠れて見えない右目とおでこがあらわになった顔。
男の色気、とでもいうものなのだろうか。
『何考えてるのかしら、私ったら・・・』
そんな気持ちになる自分が妙に恥ずかしかった。

「お待たせ」
「ん」
未沙が風呂から上がってくるのを待ちかねたように、
輝がワインとグラスを持ってきた。
「さ、飲も」
「ええ」
嬉しそうに微笑んで、未沙はグラスを受け取った。

輝は、未沙と家で飲むのが結構好きだ。
家での彼女は、とてもリラックスしていて、かわいらしい。
アルコールが入るとなおさらだ。
輝のくだらない冗談にもころころとよく笑い、
時折見せるふとした表情に彼は心和む。
そういう彼女は、俺だけのもの。
そう思うと、より一層、彼女を愛しく感じる。
グラスを傾けながら、他愛もない話をするだけで、彼は満足だった。

ふと目の前の未沙を見つめる。
自分と同じような長袖Tシャツにホームウェアのスカートを着て、
乾かした髪を上げている。
いつもは髪に隠れている白いうなじがのぞいている。
素顔なのに、ワインのせいもあるのだろうか、頬がほんのり桃色に染まり、
とても美しい。
「どうしたの?」
固まった輝に、今度は未沙が不思議そうに尋ねる。
小首を傾げて輝を見つめている。
その翠がかった薄茶色の瞳に、すいこまれそうになる。
『かわいいな・・』
返事をせずに、彼は照れくさそうに目を閉じ、微笑んだ。

**

明りを落とした部屋の中に、淡い月あかりが差し込む。
夜の静けさの中に、彼らはいた。

何度目のキスだろう。
瞳を閉じたまま、未沙は思った。

ベッドに入るとどちらからともなく抱き合い、キスをした。
お互いのぬくもりを確かめあうように。
まだ温まらないベッドの中でも、自分達の体が暖められていく。
彼のキスは、今はまだ、優しい。
彼の広い肩の下に、すっぽりと包まれるように抱きしめられて、
なんともいえない安堵感にため息が漏れる。
『好き──。』
彼の背中に回した腕に力をこめる。
『俺も』
返事をするかのように、輝も未沙をきつく抱きしめる。
やがて、彼は彼女の存在を確かめるかのように、彼女の身体を撫で始めた。
そして、強く、唇を重ねてきた。
これまでのキスとは違う、甘くて、深いキス。
未沙も、そのキスに応える。
まるで2人にしか分らない会話をしているような。
「・・ああ・・」
思わず未沙がもらしたため息に、輝がふと目を開け、彼女を見つめる。
「未沙・・・・好き」
「輝・・・。私もあなたが好き。・・大好き。」
自分の真上にある彼の顔。
優しい目で、自分を見つめている。
その眼差しを見つめ返しているだけで、彼女は溶けていってしまいそうだった。
彼の髪を撫でながら、もう一度口づけ、彼の背中に回した腕に力を込める。
未沙は彼の首筋にキスをすると、ぎこちなく、Tシャツを脱がせ始めた。
恥ずかしいという気持ちも、女の自分から彼を求めることに対する抵抗感も、
意識の片隅には確かにあった。
けれど、それよりも。
彼と素肌で抱き合いたいから。
彼のぬくもりをもっと感じたいから。
彼を愛したいし、彼にも愛されたいから。
彼と一緒になりたい気持ちの方が、ずっとずっと強かった。

珍しく積極的な未沙の行動に最初は戸惑っていた輝だったが、すぐに彼も
彼女の素肌をあらわにしていった。

輝が未沙の身体にキスの雨を降らせる。
首筋から胸へ、胸から腹へ、太腿へ。
そして彼女のもっとも敏感な部分へも。
しなやかな身体をすべるように。そのやわらかな素肌を余すところなく
味わうかのように。
静かな部屋に、彼の荒い吐息と彼女の喘ぎだけが響く。
「未沙・・・いい?」
輝が尋ねた。
未沙が小さく頷く。
彼は待ちかねたように、彼女の中へと入ってきた。
「ああ・・」
そのまま未沙を抱きすくめる。
彼女とひとつの身体になっている、この瞬間がとても愛しく、幸せだった。
重なっている部分も、抱き合って触れ合っている素肌も、熱い。
孤独とは、対極にあるこの瞬間。
ずっとずっとこのままでいたいような気もする。
だが到底我慢などできなかった。
すぐに彼は動き始めた。
情熱のままに、抱き合い、愛し合う。求め合い、与え合う。
深く、激しく、唇を重ねる。
輝の吐息が一層荒く、激しくなり、未沙の喘ぎが一段高くなる。
「未沙・・・愛してる・・未沙・・・」
吐息の中で輝が呟く。
「輝・・私も・・愛してる・・あぁ・・」
喘ぎながら未沙も囁く。
彼の身体と、自分の身体の熱さに、頭も、心も火照らされていく。
全身が浮かんでいるかのような不思議な感覚に、未沙は酔った。
私は彼に愛されている。とても、きっととても深く。
そして私も。
こんなにも深く、彼を愛している。
ずっとずっと、離さないで欲しい。
遠くなっていく意識の片隅で、彼の声が聞こえる。
「あ・・未沙・・ああ・・!」
一層深く、激しく彼女を貫くと同時に、彼は果てた。
そんな彼を、未沙は優しく抱きしめ、宥めるように癖の強い黒髪を撫でた。
自分の腕の中で瞳を閉じる彼が、愛しくて仕方なかった。
普段は饒舌でない2人だからこそ。
お互いの絆の強さを、愛されているということを実感できる、
そして自分の気持ちを素直に彼にぶつけることができるこの一時が、
未沙はたまらなく嬉しかった。

**

「抱き合えるって、素敵なことよね・・」
ぽつりと、未沙が呟いた。
「え?」
「触れ合って、ぬくもりを感じて、この人のことを愛してる、
私はこの人に愛されてるって実感できる。」
「そう、思ってくれてるの?」
輝は、いたずらっぽい瞳を未沙に向ける。
自分で言っておきながら、少し恥ずかしくなった未沙ではあったが、
実感を込めて、答えた。
「ええ。そうよ。」
絶対に普通の状態では言えないことでも、今なら、言えるような気がした。
「私ね・・」
輝の胸に顔を寄せ、とても小さな声で呟く。
「あなたに抱かれてるとき、とても幸せなの・・」
ああ、言っちゃった、恥ずかしい・・・と、耳まで真っ赤になりながら
もう一度彼の胸に顔をうずめる。
「うん。・・俺も。」
未沙の言葉に、正直テレながらも、とても嬉しいと素直に感じた。
とても、愛しくて、大切で、絶対に離れたくない。離したくない。
未沙と一緒にいる幸せを知ってしまった今。
もう、きっと一人では生きていけない。
それは、未沙も同じ気持ちだろう。
聞いたわけではないが、輝には確信があった。

どちらからともなく唇を重ねる。
輝の手が未沙の肩に触れる。
柔らかい素肌の手触りに、ぬくもりに、思わず微笑みがこぼれる。
身体を捻り、未沙を抱きしめる。
彼女の髪に頬を寄せ、小さな声で呟く。
「・・ずっと、一緒にいような」
「ええ・・もちろん」

2人は目を合わせて笑うと、もう一度優しく抱きしめ合った。



おわり

*Imaged from "ETUDE" by Ryuichi Sakamoto (Album "音楽図鑑")
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コメント

拍手レス♪

豪渓仙人さん

丁寧なコメントありがとうございます。
お褒めいただきなんだか恐縮です(小心者なので・・)
音楽図鑑の“ETUDE”をご存知の方に初めてコメントをいただいて嬉しく思っています。。いかがでしたでしょうか。
実は私の中では、あのトロンボーンの音色から、輝の、大人になりきっていない、でもそこはかとなく漂う「男の色気」を連想(妄想?!)して、このお話を書きました。

豪渓仙人さんのところへも、先ほどお邪魔させていただきました。
まだ少ししか読ませていただいていないので、また時間があるときにでもじっくり読ませていただこうと思います。

さて、MISS MACROSSでのSSなのですが、もし誤解されているといけないので念のため書かせていただくと、
「TV版サイドストーリー」はMISS MACROSS主宰のえみぽんさんが書かれた作品で、解釈などもえみぽんさん独自のものです。
「マイアルバム完結編」(完結していませんが。。)はTSIさんと一緒に書かせていただきましたが、原案はTSIさんです。

私はどちらかというとお二人はじめ、他のマクロスSSの書き手さんたちによい影響をいただいて、その後の自分の作品にその世界観などを少なからず反映させていただいている、ということなのだろうと思います。
もちろん、私独自の設定や、マクロス世界の解釈というものはありますが。

ですので、私なんだか恐縮してしまっています。。。
こんな私の作品でよろしければ参考になさっていただいたりしてもかまいません。
また今後ともお読みいただければ幸いです(^^)

シリウスさん、拍手&コメントもありがとうございましたv-344
感想いただけて本当にうれしいです。
MISS MACROSS様のお絵かき格納庫の理沙さんのイラストに、このETUDEのお風呂上りの輝をイメージして描いてくださったものがあります。とっても素敵な輝くんです。
また見てみてくださいね♪

このお話も書いたあとアップするのに悩んだ作品でして・・
男性の方が描く話に少しだけ違和感を感じて女性目線から描いてみたつもりだったんですがうまくいっていたのかどうか。
気に入っていただけたなら幸いです(*^^*)

きゃ~~~~~~~ん!!
お風呂上がりの輝の姿・・・・・いいですねぇ~♪
きっと大きく胸板が厚く、男らしい胸でしょうね。

もう~夜眠れないですよ・・・想像してしまいます!!
でも、とっても愛し合うふたりの姿が心打たれてしまいました。
さすがにいいストーリィーです。
非公開コメント

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