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Conviction(4)

2015.06.11 16:09|Conviction
Conviction(4)



輝は未沙の言葉に、思わず席を立った。
そして未沙を強く抱きしめた。
考えるよりも先に体が動いていた。
「・・・・・ごめん。」
搾り出されたひとことに、いろんな思いがつまっていた。

輝は、自分が未沙のことが好きだ、ということは未沙本人も分かっていると思っていた。
だから、心のどこかで、デートをすっぽかそうが、口論しようが、ミンメイを家に入れようが、
大丈夫だろうと思っていた。
今までの2人の関係に胡坐をかいていた、といわれればおそらくそうだろう。
でも、未沙はそうではなかった。
そこに気が付いていなかったなんて。
自分の甘さと、馬鹿さ加減に自分自身腹が立つ。
しかし、今そんなことをどうこう考えている場合ではない。
とにかく、自分は未沙を好きなんだ、ということを伝えなければ。

輝は腕の中で身を硬くしている未沙に語りかける。
「俺が好きなのは、未沙だ。
ミンメイがいなくなったからじゃない。
俺は未沙が好きなんだ。」
どう伝えたら分かってもらえるだろう。
彼は、一生懸命に言葉を捜す。
「確かに、ミンメイって娘は僕なんかにつなぎとめておけませんよ、って言ったけど。
だって、それは事実だろ?
好きとか、嫌いとかそういうんじゃなくて。
彼女とはやっていけない、そう前から気が付いてたから。
生きる世界が違うって。」
未沙が顔を上げる。
「未沙とは・・・同じだと思ったんだ。
軍人同士だから、ってわけじゃないよ。
立場が分かるって意味じゃそれもあるとは思うんだけど、それが理由じゃなくて・・
うまく言えないけど、似てるっていうか。
同じ方向を向いて、一緒に歩いていけそうな気がしたんだ。」
輝は未沙の肩に両手を置くと、彼女の顔を見てそっと言った。
「そう思ったのはいつかなんてもう覚えてないけど、
気が付いたら、未沙のこと好きになってた。」
「・・・・」
「・・・意識しないようにしてたけど。」
「どうして?」
「分からない。今考えたら、」
少し目線を外しながら未沙の問いに答える。
「・・照れくさかったのかもしれない。意識したら、もう、今までどおりには話せなくなるような気がして」
「それで、あの態度なの?」
「それは、本当に悪かったと思ってる。でも、俺もどうしていいか分からなかったんだ。
未沙がそんなに悩んだり、傷ついたりしてたって、未沙に言われるまで思いもしなかったんだよ。」
少年から大人へ変わる時期、彼の中にも微妙な葛藤があったのかもしれない。
厳しい現実から逃避したい、素直に好意を表すことができない、自分の気持ちを表現できない・・
もともと不器用かつ若い輝にとって、いろいろな出来事が重なりすぎたのかもしれない。

未沙がまだ体を硬くしたまま、ぽつりと呟いた。
「ミンメイさんを家に入れたのは、本当に同情が理由なの?
私を好きだと思っていてくれながら、同じ家で彼女と一緒に過ごして何も感じなかったの?
あなたが同情で彼女を受け入れたとしても、彼女はそうじゃなかったみたいじゃない・・・」
詰問するようなまなざしに、輝は胸が締め付けられる。
「私、あの日、ミンメイさんを家の中へ入れるあなたを見てしまったの。
どれだけショックだったか分かる?」
「・・今なら、分かる。」
「大好きな人が、ひょっとしたら自分のことを好きなのかも、と淡い期待を抱いていた人が、
別の女の人と一つ屋根の下で一緒にいるのよ。しかも、初恋の相手と」
「未沙・・」
「私はあなたの恋人でも、なんでもない。私はあなたに何も言える立場じゃない。
やっぱり、私よりミンメイさんの方がよかったんだ、そう思って、」
未沙が目を伏せる。
「どこかへ消えてしまいたくなった。
こんな状態であなたと顔を合わせるのが辛くて、退役しようと思った」
輝は黙って聞いている。
「総司令に退役の話をしたら、新造艦の艦長の任務を提示されたの。
最初は自分勝手な理由で任務を受けるのも申し訳ないと考えていたんだけれど、
総司令に宇宙移民の意義を説かれ、とても感銘を受けたの。
それで、お受けすることに決めたのよ。」
少し悲しそうな顔で輝を見つめて、未沙は続けた。
「最後に、あなたにきちんと自分の気持ちを伝えて、自分の中で区切りをつけて、
あなたとのことをお終いにしようと思ったの。
あなたとは、楽しい時間も過ごせたから、そういう幸せな思い出だけは
大切に自分の中にしまっておこうって。」
「それでうちにきたんだ・・。」
「ええ。」
輝の中に強い自責の念が浮かぶ。
自分の思慮の浅さ故に彼女をそこまで追い詰めていたなんて。
「・・・本当に、ごめん。」
言い訳がましいとは思ったが、でも事実は伝えなければ。
「でも、ミンメイとは、本当に何もなかったんだ。
確かに一緒にいたけれど、友人以上の何ものでもなかった。」
クリスマスの夜、ミンメイが差し出した唇を断りきれずに自分の唇を合わせたが、
あの時感じた違和感は、きっとミンメイにも伝わっていたんじゃないかと思う。
自分の本能が、相手が違う、と言っているような、ぎこちないキスだった。
寧ろあの時、自分の本心を自分自身に突きつけられたのではないか。
「それに、ミンメイが一緒にいる間に、改めて、はっきり分かったんだよ。
自分がずっと一緒にいたい人は、ミンメイじゃない。未沙だって。」
「・・・どうして?」
「ミンメイがうちにいた間に、ミンメイに言われたんだ。
自分も歌をやめるから、俺にも軍を辞めてくれって。
出会った頃に戻りましょうって。」
再び未沙の表情が硬くなる。
「でも、俺は頷けなかった。
ミンメイに歌をやめられても、自分が軍をやめる理由にはならないし、
それでどうしろというんだ、と思った。あの頃に戻ったところで自分たちは何をする?何ができる?
何もできないじゃないか。それは違うと思ったんだ。」
未沙は硬い表情のまま黙って聞いている。
「でも。
軍をやめてって言ったのが未沙だったら。
そんなこと、あるわけないかもしれないけど。
でも、もし未沙が、例えば、軍人である以上人を傷つけることがあるかもしれない、
でも大切な人々の生活を守りたい。
そのために自分に何ができるか考えたり、試したりしたいから退役しようと思う、
できれば俺にも手伝って欲しいから、俺にも退役してくれって、そう言ったとしたら、」
輝は未沙の目をみてきっぱりと言った。
「俺は分かったって即答できると思ったんだ。」
「どうして・・・?」
「さっきも言ったけど。未沙とは同じ目的を持って歩いていけると思うから。
その手段が変わるだけだと思ったんだよ。」
「輝・・・」
「これは例え話だし、先のことなんて実際のところは正直分からないんだけど、」
戸惑う未沙を優しく見つめて輝は言った。
「未沙とだったら、何でも一緒にやっていけそうな気がするんだ。
これまでもそうだったけど、未沙となら、いろんな話をして、言いたいこと言い合って、喧嘩もして、
でもきっと分かり合ってやって行けそうだと思うんだ。それに、」
輝はもう一度未沙を抱きしめて言った。
「何より、俺は未沙が好きだから。
・・・いつも言葉足らずで、心配させて、本当にごめん。
でも、雪の中でミンメイのことを言ったのは、そういうつもりだったんだ。」

未沙の中で今までのネガティブな感情がぐるぐると渦巻いて、ほどけていく。
腕の中の彼女の身体からも、表情からも、硬さが消えてなくなった。
「・・・未沙・・?」
伺うような彼に未沙が顔を上げる。
恥ずかしそうに微笑みながら、彼女はこう言った。
「・・・分かったわ。」
彼女の言葉と表情に、ようやく輝も安堵を覚える。
「分かってもらえて、よかった・・・」

2人は目線を合わせると、どちらからともなく、そっと唇を合わせた。
何度も、何度も。
これまでの誤解やわだかまりを溶かすように。
なかなか伝えられなかったお互いの気持ちを確認しあうように。
─こんなにお互い好きだったのに。
─なんで気持ちを確かめ合うのに遠回りして、傷つけあったんだろう。
未沙は幸せだった。
もう、不安にならなくてもいい。
やっと確信を持つことができた。
輝が自分のことをどう考えてくれていたのか、やっと分かった。
自分の中でひっかかっていた雪の中のひとことにも、自分への彼の想いがこめられていると知った。

輝は、未沙と唇を重ねながら、ぼんやりと思う。
─任務以外での未沙とのキスって初めてだったかもしれない・・
彼はミンメイともキスを交わしたことが何回かある。
けれど、今自分が未沙と交わしているキスは今までのキスとは明らかに違った。
何がどう違うのかうまく説明できないが、こんなに相手を愛しいと感じながら交わすキスは初めてだった。
─本当に好きな相手とのキスだからだ・・・

今回の騒動で、今までなんとなく分かっていた自分の気持ちをはっきり自覚し、
未沙と相思相愛だと分かり合えたことが彼の気持ちを大きく変えていた。
今まで彼女への気持ちを意識しないようにしていたのは、自分の気持ちを制御できなくなるかもしれないと
本能的にセーブをかけていたのかもしれない。
─こんなに自分が未沙のことが好きだったなんて。
─もう絶対に彼女と離れるなんて無理だ。
そこで不意に思い出した。
そもそものことの発端を。

「・・俺の気持ちが分かっても、やっぱり地球を離れるの?」
不安そうに尋ねる輝に未沙は少し困惑した表情を浮べた。
「・・・ええ。移民計画の話は、とても大切なことだと思うの。
将来私たちの子孫に、この地球の文化を残してあげるために必要なことだと思うから。」
未沙はまっすぐ前を見詰めてそこまで話すと、改めて輝へと向き直る。
「でも、あなたとは離れたくない。」
「俺だって無理だ。」
「輝。さっき、輝は私がもし退役したい、あなたも一緒に退役してって言ったとしたら
分かったって言うと思うって言ってくれたわよね。」
「ああ。」
「じゃあ、私と一緒に行って。一緒にメガロードに乗って。」
こんなに早くあの例え話を持ってこられるとは思ってもいなかったが、輝は即答した。
「分かった。
・・・じゃあ俺からもひとつ、いい?」
「何?」
「未沙。俺と結婚してくれる?」
─え?
あまりに自然な、けれど唐突なプロポーズに未沙は頭が真っ白になった。
─さっきまで、好きだっていう気持ちさえお互い伝わっていなかったのに?
「嫌?」
「いいえ・・。でも、どうして?なぜ急に・・?」
「急ってわけでもないよ。」
そういうと照れくさそうに笑って続ける。
「今回のことで未沙とのこと自分なりに考えてる間にいろんなことに気付けた。
もし、未沙が俺の気持ちを分かってくれて、未沙もまだ俺のこと好きでいてくれたら、
そのときは結婚しようって言おうと思ってた。」
「・・・そうだったの。」
未沙は素直に嬉しかった。
胸の奥から熱いものがこみあげてくる。
嬉しい気持ちをセーブする必要はもうないのだ。
「結婚、してくれる?」
輝がもう一度未沙に尋ねる。
未沙はこくり、と頷いた。
「でも私と結婚すると大変よ。・・・何せ鬼の早瀬ですもの」
うっすらと涙を浮べながらいたずらっぽく笑う。
─こんなかわいい鬼は俺しか知らないはずだ。
どうして彼女をこんなに好きになってしまったのか。
いろんな彼女を知れば知るほど、好きな気持ちが強くなっていったんだと、
今なら分かる。
「分かってるよ。そんなこと。百も承知だよ。」
「うん。ならいいの。ありがとう、輝。」
未沙はあふれ出しそうな感情と一緒に、輝の胸に顔をうずめた。


<とりあえず終わり・・・かな>

※Conviction:確信
※もしかしたら続きを書くかもしれませんが、とりあえず一旦終わらせます。
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コメント

Re: 終われるの?かな?

敦賀屋 バボ さん

承認&お返事遅くなり申し訳ありません。
コメントありがとうございます。

> ここらへんは、オリ童謡と 読者は妄想スンベかな?

そうですね。Little Happinessのカテゴリの作品は時期設定を変えてますが、
ほかは一緒です。
Convictionはその手前の話なので、テレビ版の設定のまま書きました。
まぎらわしくてすみません・・・。

終われるの?かな?

いち読者の 素朴過ぎる疑問でぇ~す
輝が未沙に『結婚してぽよ』言って 未沙が桶したんよね
そでもて デカ道(メガロード)には
ケコーンして 地玉からピョンコ跳び すっだども
ここらへんは、オリ童謡と 読者は妄想スンベかな?

期待しでぇども えぇべかさ? (*´;ェ;`*)
じっと こらえてたけど どしても 聞きたくなったです

Re: No title

ぶいさん

書き始めたものの、すごく難しくて、
うまく2人がまとまってよかったわぁ~と作者ながら思っております。。
いやぁ,ぶいさんにかっこよかったと言っていただけて
うちの輝くんはしあわせものです。

もったいないお言葉ありがとうございますm(_ _)m
続き・・・そう、本当はもう少し書くつもりだったんですが、力尽きました(苦笑)
また続きの電波がやってきて、時間がとれたら書けるかなあ。。
どのあたりまで書くか、というのも悩みどころですね。。
また妄想してみます(笑)

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Re: No title

ゆばさん

(3)へのコメのお返事も一緒に書きますね^^

そうです、あの最後の一言で私の最終回はすっきりしないまま(泣)
愛おぼでの告白シーンですっきりしたものの、
あれを見てしまったがゆえに、テレビ版でもあれぐらいすっきりはっきり
言って欲しかったわ!というのがずーっとあって・・

今回はさすがに難しくってすごく時間がかかっちゃいました。
仕事が連休だったので一気に書いちゃえ!と書き始めたのですが
思ったより難航・・
もう少し続きを書くつもりだったんですが、ここまでたどり着くのに疲れちゃって^^;
ちょこちょこ手直しするかもです。

そんなこんななので、ゆばさんにすっきりしてもらえてよかったっす!

それにしても、ちょうど(4)を書き終わってアップしようかと思ったときに
(3)へのコメントいただいて、内容読んだら(4)に書いた内容だったので
すごくびっくりしました(笑)ゆばさんに先読まれてる!とか思っちゃいましたよ^^

ありがとうございました~

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