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Conviction(2)

2015.04.11 12:01|Conviction
※読み返しておかしいところをちょこちょこ修正しております。すみませぬ。
Conviction(2)



受話器の向こうで無機質なコール音が鳴り続ける。
1回、2回、3回・・・・・・
いつもならすぐに出るはずなのに。
ほんの数十秒の話なのに、とても長く感じる。
──早くでてくれ。
不安でどうにかなりそうだ。
あきらめて切ろうと思った瞬間に未沙の声がした。
「・・・はい。早瀬です。」
「あ、お、俺。一条だけど・・」
「輝・・。どうしたの?こんなに遅く・・?」
怪訝そうな未沙に言われて時間を確認する。
23時を過ぎていた。
しまった。時間のことなど気にしていなかった。
眠っていた未沙を起こしてしまったのだろうか?
「ご、ごめん。もしかしてもう寝てた?」
「いいえ。でもそろそろ休もうかと思っていたところよ。
・・・どうしたの?」
そうだ。聞かなければ。
「いや、あの・・。」
いざとなると言葉に詰まる。
輝は軽く息を吐くと、思い切って聞いた。
「今日、未沙がうちに来たとき、言ってただろ?
お別れを言いに来ました、って。」
「・・・ええ。」
「お別れってどういうこと?俺聞いてたはずだったんだけど、頭真っ白になって覚えてなくて・・。」
受話器の向こうで未沙のため息が聞こえたような気がした。
「・・・宇宙移民計画が発表されたことは知っているわよね?」
「ああ。なんとなく聞いてる程度だけど。アポロ基地で移民艦が建造されてるって話だろ?」
「ええ。私、その移民艦の艦長の内示を受けたの。
つまり、地球を離れることになるから・・。これからいろいろな準備が始まって多忙になるし
もうこれまでのようには会えなくなると思って・・・。」
輝は呆然とした。
言葉が出ない。
お互い無言のまま数秒が過ぎ、苦しくなった未沙が言葉を継ごうとしたとき、
輝が搾り出すように声を出した。
「・・・ちょっと待ってよ。・・・なんでそんな辞令受けたんだよ。」
「・・・やりたい任務だったから。」
未沙は、そう答えるしかなかった。
「・・・俺と離れ離れになってもか?」
苛立たしげな輝の声が聞こえる。
しばらく沈黙したあと、未沙は重い口を開いた。
「その方がいいと思ったのよ。あなたにとっても。」
──なんだよそれ。
未沙の気持ちを量りかね、輝は苛立った。
何を考えてるんだ。
好きだっていってくれたのに、離れ離れになったほうがいいって、
どういうことだよ?
輝は混乱した。
何も言えない彼に追い打ちをかけるような彼女の声が聞こえた。
「・・・もういいのよ。」
「いいって、どういうことだよ?」
「無理しなくていいのよ。」
「無理ってなんだよ?」
「言葉そのままの意味よ。」
もどかしい。
考えがまとまらず次の言葉を継ぐことができない。
未沙も何もしゃべらない。
またしても重たい沈黙が続いた後、未沙が口を開いた。
「・・・明日も早いから、そろそろ切るわね。おやすみなさい。」
怖いくらいに、静かな、落ち着いた声だった。
輝に何も言う隙を与えることなく、未沙は電話を切った。

──何なんだよ!
電話を切った後も輝は苛立たしい気持ちがどうしても収まらなかった。
はっきりさせたくて電話をかけたのに、余計ややこしいことになってしまった。
どうしてあいつはあんなに不可解なんだろう。
理解に苦しむ。
大体無理しなくていいってどういう意味だ。
──そんなこと言うくらいなら、なぜ告白したんだ。
──言われた俺の気持ちはどうなるんだよ!
「!」
輝は自分がそもそも大事なことを忘れてしまっていることに気がついた。
──結局俺は自分の気持ちをきちんと言ってない。
自分の気持ちを聞いてもらったうえで、未沙の真意を質そうと思った。
そのためにはやはり一度直に会って話をしなくては。
輝はもう一度受話器を手に取った。


**

2回目の輝からの電話を切ったあと、未沙はベットに横たわっていた。
何もする気が起きない。
何も考える気も起きない。
頭の中でさっきの電話の輝の声が蘇る。
『会って話がしたい。』
とりあえず、彼の勢いに気圧されて会う約束はしたものの、彼女の気持ちは複雑だった。
確かに自分は輝に告白した。
痛いくらい、今でも彼のことが好きだ。大好きだ。間違いなく。
恋人として愛して欲しい気持ちだって、もうずいぶん前から、ずっと心の中にある。
傍から見ればまるで恋人同士に見えるような関係だったかもしれないが、
そんなことはなかった。何の確信も持てないままの、宙ぶらりんな関係。
本当はそんな関係は嫌だった。
でも。
一緒にいることができるのだからいいじゃない、と自分に言い聞かせてきた。
実際一緒にいる間は、不安な気持ちを感じることもなかったのだから。
けれどクリスマスの夜、そんなささやかな想いも打ちのめされた気がした。
もうこんな想いをするのは嫌だ。
輝に告白することで自分の中で区切りをつけるつもりだった。
思い出にしてしまおう。
そして遠くへ行こう。
離れてしまえば、いつかきっと、この苦しさも心の痛みも忘れてしまえるだろうから。

雪の中で肩を抱かれた時は嬉しいと思えたのに。
電話も本当は嬉しかったはずなのに。
輝が会いたいと言ってくれるのも嬉しいはずなのに。
彼が何を言いたいのかは、なんとなく分かっていた。
しかも、それは決して自分にとって悪いことではないと分かってもいるのに。
どうしても、今は素直に嬉しいと思えなかった。
そんな自分も嫌だった。
そして、自分をそうさせる輝に対しても苛立ちを感じた。
直接会った彼といったいどんな顔をして話せばいいというのか。
こんな気持ちのままでなんと答えればいいというのか。
──好きなのに。大好きなのに。

しずかに閉じた瞳から涙がひとしずく流れ落ちた。


<続く・・・かも>
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コメント

拍手レス♪

地味な更新にもかかわらず拍手ありがとうございます☆

ふじこさん

コメントありがとうございます。
そうですよねー、なりますよね~
未沙の場合性格的なものもあるでしょうしね。。
ロマネスクの酒場のシーンはホント胸が痛みます><
続き・・ああいった決着になりましたが、気に入っていただければ
幸いです^^

拍手レス♪

michyさん

お返事遅くなってしまい、大変申し訳ありません><
5月から仕事が変わりいろいろバタバタしておりました。。

コメントありがとうございます*^^*
素敵、と言っていただけるなんてうれしい。。

素直に決着つけちゃろうと思って書き始めたのに
結局なんだかどろどろな感じになってきてしまって
書き手の私がどうしましょうモードになってきてしまいました。。

このままでは終わらせたくないのでまたぼちぼち書いて行きたいと
思います。
お付き合いいただければ幸いです^^

No title

cowさん

なんか、とっても癒されます・・素敵・・

拍手レス♪

気まぐれな更新ですのに拍手ありがとうございます(^^)

ゆばさん

そうそう、結末は分かってるんですけど、
どうなるのかなぁ、、、、という。
私もどきどきを楽しもうと思います^^
ぼちぼちがんばります~


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