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Partners Epi.4

2008.09.02 10:26|Partners
Partners Epi.4


そして、いつもと変わりなく、1日が過ぎた。
最近では新人達も機体に慣れ、フォーメーションにも慣れ、ずいぶんとやりやすくなった。

輝は自分の機体整備を終えると、急いで訓練報告書を書き上げ、すぐに家路についた。
今日は、なんとしても早く帰りたかった。
帰ったら未沙がいてくれるから。
たったそれだけのことなのに、とても嬉しかった。

「ただいま。」
「お帰りなさい。・・・あら?みんなは?」
「機体整備と訓練日誌を書いてからでないとあがれないからな、あいつらは。」
「隊長は、部下を置いて帰ってきてよかったのかしら?」
輝は、心配そうな未沙の言葉に、やれやれ、というようにため息をついて答えた。
「俺は、ちゃんと、俺の出すべき報告書は出してきたよ。訓練日誌は次の訓練前までに目を通しとけば大丈夫さ。」
「そう、それならいいんだけど。」
輝は上着を脱ぎながら、小さな声で呟く。
「・・・・ほんとにいつも一言多いんだよな、未沙って。」
「なにか言った?」
未沙が振りかえる。
その、輝の微妙な気持ちなど気づいていないような口ぶりに、彼は少し意地悪してやりたくなった。
わざと拗ねたような口調で、ひとり言のように呟く。
「…今日はさ、未沙が待っててくれてると思ってさ。機体整備も報告書もすっごく頑張って大急ぎであげて帰ってきたってのに。」
そしてわざとらしく未沙の方に向き直ってこう言った。
「未沙はさ、俺が早く帰ってきても嬉しくないわけ?」
思わぬ反応に未沙は少し戸惑った。
「そ、そんなつもりで言ったんじゃないわ。ただ、ちょっと気になったから聞いてみただけなのに。
輝こそそんな言い方しなくても・・・」
「未沙はさ、俺が早く帰ってきて、嬉しいの?嬉しくないの?」
輝は未沙の言葉を遮るようにもう一度同じことを言った。
未沙は、少し悔しそうな、複雑な表情をしたまま、小さな声で答えた。
「・・・・・・・嬉しいわ。早く、帰ってきてくれて。」
その答えを聞くと、輝は満足そうに頷いた。
「そ。ならいいんだ。俺の努力も報われたってわけだ。」
そう言うと、彼は上着をつかんで寝室へ入っていった。
その後ろ姿に、未沙は苦笑しながら呟いた。
「ホントにもう、子供みたいなんだから・・・」

**

30分ほどしてチャイムが鳴った。
ギャリー、フェンデル、ルイーゼの3人がワインを抱えてやってきた。
「中佐がワインがお好きだと以前伺ってましたので・・。お口に合えばいいですけど。」
ルイーゼが未沙にワインを手渡す。
「あら、ありがとう。嬉しいわ。後で皆でいただきましょうね。」
そう言うと未沙はにっこりと笑った。
『笑顔の素敵な女性なのね・・。オンとオフでここまで違うなんて、不思議な人。』
ルイーゼはつい、いつもの癖でプライベートでは初対面の未沙を観察してしまった。
彼女に関する噂はたくさん聞いている。
特にパイロットの間では当然ながら「鬼」という評価が大勢だ。
しかし若干22歳にして移民船の艦長を任されるほどの人物が「鬼」だけな訳はない。
バリバリのキャリアウーマン、けれど仕事一辺倒というわけでもなく、大恋愛の末に隊長と結婚(という噂)。
どんな女性なんだろうと、同じ女性としても、ずっと気になっていた。

「それじゃ、今日も訓練お疲れ様ー!!」
輝が乾杯の音頭をとり、宴は始まった。
テーブルには未沙の心づくしの料理が並ぶ。
ギャリー、フェンデルは手料理自体が久しぶりで、ものすごい勢いで食べている。
そんな2人を時にはからかいながら、笑顔で見ている輝はとても嬉しそうだ。
「喜んでもらえたみたいで、よかったわ。」
ほっとしたように未沙がルイーゼに呟いた。
「それはそうでしょう。中佐、本当に料理がお上手なんですね。」
「ありがとう。でも、それほどでもないわよ。・・あなたはお料理したりするの?」
「ええ、少しですけどね。でも中佐みたいに上手じゃありません。」
そう言うと恥ずかしそうに笑った。
2人は大騒ぎの男3人をさておき、ワインを味わいながらゆったりと食事を楽しんだ。
「・・・ねぇ。ひとつ聞いてもいいかしら?」
しばらくして、未沙が静かにルイーゼに尋ねた。
「なんでしょう?」
「あなた、どうしてパイロットになったのかしら、と思って。輝のようにもともと飛行機に乗っていた訳じゃなかったんでしょう?」
「ええ。入隊後に操縦は覚えました。パイロットになったのに、特に理由はなかったんですが・・強いて言えば、やっぱり飛行機が好きだった、ってことですね。」
茶色がかった金髪をかきあげて、えへっと彼女は笑った。
「隊長やギャリーくんみたいに小さい頃から飛行機に乗ってたわけじゃない。でも、飛んでいる飛行機を眺めるのは大好きだったんです。いつか、乗ってみたいなって。でも統合戦争や星間戦争があって、それどころじゃなかった。自分の人生を決める時になって、復興プロジェクトを進める軍の方針に共感して入隊しました。その時、あきらめかけてた夢を思い出したんです。どうせなら、パイロットになりたい。大好きな飛行機に乗って、地球を復興する、文化を、人を守る仕事をしたい、そう考えたんですよ。」
そう言うと、ルイーゼは大きな瞳で未沙を見つめ返した。
その瞳はまっすぐだった。
迷いのない、彼女の心をあらわしているような、力強い瞳だった。
「そう。あなたのような人が護衛隊に居てくれるなんて、メガロードの艦長としてもとても嬉しいわ。
輝も心強いことでしょうね。」
「・・隊長にはいつも、ご迷惑ばっかりかけてて・・・。ほんと、早く一人前になりたいです。
実は私、隊長と同じ年なんですよ。最初に訓練中に、隊長がVF-X-4のテストをしているのを見かけたとき、同じ年でこれだけバルキリーを操れる人がいるんだ、って憧れたんですよ。
だから、隊長の部隊に配属されることになったとき、嬉しかったですもん。
バルキリーに乗ってる時の隊長って本当にカッコイイです。」
「そうよね・・、本当に、バルキリーに乗ってる時は、カッコイイわよね。」
未沙も『時は、』をわざと強調し、いたずらっぽく笑った。
とてもかわいらしい笑顔だった。
その笑顔を見てルイーゼは、前から気になっていたことを思いきって尋ねてみた。
「あの・・。お返しというわけじゃないんですけど・・。私も中佐にひとつお聞きしたいことがあったんです。」
「あら、何かしら?」
「あの・・・。・・・・・でもやっぱりやめます。」
言いかけてルイーゼは口をつぐんだ。
「なぁに。言いかけてやめるなんて、余計に気になるじゃない。構わないわ、言ってみて。」
未沙に言われて、ルイーゼは決意した。
「それじゃあお言葉に甘えて・・・。
あの・・中佐はどうして隊長と結婚しようと思われたんですか?」
「えっ?!」
予期せぬ問いに、未沙は戸惑いを隠せない。
「ど、ど、どうしてって?」
「・・特に理由はないんですけど、同じ女性として、なにが結婚しようと思う決め手になるのか、ちょっと聞いておきたかっただけなんです・・・。だめですか?」
そう言うとルイーゼはもう一度えへっと笑った。
ルイーゼも、未沙も、二人でボトル半分はゆうに空けていた。
二人とも既に頬が桜色に染まっている。
未沙は一度ルイーゼと目を合わせて口を開きかけたものの、すぐに視線をはずして、恥ずかしそうにうつむいた。
「・・・・やっぱり恥ずかしいわ、こんな話を他の人にするなんて。」
「いいじゃないですか、私、口は堅いですよ。どうせギャリーくんもフェンデルくんも、隊長もあの調子だし、私のほかには誰も聞いてませんよ。」
ルイーゼの言葉に未沙はちらりと男3人の方へ目をやった。
ルイーゼの言うとおり、3人の前には無数のビールの空き缶が並び、用意された食事の皿は既にからっぽで、輝がどこからか持ってきた乾きものをつまみながら、他の隊員の操縦テクニックについて3人で延々と語っていた。もちろん、輝とギャリーの薀蓄もひけらかされ、フェンデルは呆れた顔をしながらも付き合っている。既に彼らの眼中に女性2人はない。
この状況に安心したのか、未沙はもう一度ルイーゼの顔を恥ずかしそうに見ながら、口を開いた。
「・・・笑わないで聞いてくれる?」
「もちろんです。」
未沙は、ギャリーやフェンデルと楽しそうに話している輝へ視線を向けながら、恥ずかしそうに話し始めた。
「彼ね・・・とても優しいの。不器用で、口下手で、マイペースだけど、とても誠実で。いつも私のことを彼なりに精一杯、とても大切に考えてくれてる。それが分かったから・・・だから結婚したの。」
「・・・そうだったんですか。・・こんなこと言うと失礼かもしれませんけど、その、さっき訓練中に隊長のことを見て憧れたってお話しましたよね?」
「ええ」
「でも、そのとき、いろいろな、その…ミンメイさんや中佐を巡る噂を聞いて・・・・正直ちょっと幻滅しちゃってたんですよね。」
「うふふ、あなた達のところにもその噂届いていたのね。恥ずかしいわ・・」
未沙は苦笑した。
「でも、隊長のもとに配属されてみたら、飛行機の腕だけじゃなくて、人間として尊敬できる部分もたくさんあって・・。中佐とも結婚されたし・・。あの噂はなんだったのかしら、と思うところもあって。」
ルイーゼはワインを一口飲むと、考えるようなそぶりで、言葉を継いだ。
「なんて言うのか、私なら、別の女の子のこと考えられたらすごく嫌だから、一度そういうことされたら相手に対する不信感が強くなってしまいそうですよ。結婚なんて考えられなくなりそう。なのに、中佐は隊長と結婚された。噂はやっぱり嘘だったんじゃないか、と思ったりして。」
未沙はルイーゼの言葉に静かに呟いた。
「ううん、確かに、全部本当ではないけど、ミンメイさんを巡って、っていうのは本当よ。私もずいぶん悩んだわ。でも、きっと彼も苦しかったのよ。・・これは今だから分かるのかもしれないけど。彼も、ミンメイさんも、私も、それぞれがこれからの人生を考えるところで絡み合ってしまっただけなのよね。」
そういうと未沙はふっと微笑んだ。
「でも、その間に彼が私のことをとても大切に考えてくれていることに気づけた。私も彼がいないとだめなんだ、ということを思い知らされた。よかったのよ、結局。
・・・それにしても、まさか彼が私みたいな年上でブスで可愛くない女のことを好きになるなんて、ね。自分でも不思議だわ。」
「そんな・・。中佐は素敵ですよ。女の私から見ても、とても素敵な女性だと思いますよ。」
「うふっ。ありがとう。おだてても何も出ないわよ」
未沙はいたずらっぽく笑った。
その笑顔がかわいらしくて、ルイーゼは改めて思っていたことを言葉にした。
「中佐の笑顔って素敵ですね。」
「・・・そう?そんな風に言われたのって初めてだわ。」
「隊長はその笑顔にやられちゃったんじゃないんですか?」
未沙はからかうように言ったその言葉に柔らかく笑って答えた。
「さぁ・・。でも、私の笑顔を素敵と思ってもらえたなら、それは、きっと彼のおかげね。」
未沙はそう言うと、もう一度優しい目で輝のほうを見て微笑んだ。
「…彼はどう考えているか分からないけど。私は彼と結婚してよかったと思うわ。」
「そうですか。」
ルイーゼはそう言うと顔を上げてため息混じりに呟いた。
「いいですね、中佐も、隊長も。素敵な相手にめぐり合えて。お二人を見ていると、本当に羨ましいですよ。…私にもいい人現れないかなあ。」
その言葉を聞いて未沙は珍しく、声を出してくすくすと笑った。
「やぁねぇ、なにシャミーみたいなこと言ってるのよ。大丈夫よ、ルイーゼさんほどの人ならきっと、素敵な相手が見つかるわよ。」
「そうでしょうか。」
「きっと、そうよ。・・・・いいひと、ほんとうにいないの?」
からかうように未沙が尋ねると、ルイーゼは困ったように笑いながら答えた。
「…なんだか、今はそんなことを考えている余裕がなくって。いつも頭はバルキリーのことでいっぱいなんですよ。これだからイケナイのかな・・。でも、一緒に飛んでる仲間は、ギャリーくんやフェンデルくんみたいに楽しい人が多いから。隊長も、尊敬できる素敵な方ですしね。毎日なんとかやってます。」
未沙はルイーゼのほうを少し羨ましいような目で見ると、ワインを一口飲んだ。
おいしそうに、ふぅっとため息をつく。
「ね、ルイーゼさん。」
「なんでしょう?」
「あなたもメガロードに乗るわよね?」
「ええ。今のままの配属なら。」
「私達の旅はきっと長い旅になるわ。植民星を見つけられる保証もないし。バルキリー隊を危険に晒してしまうことも多々あると思うの。楽しいことばかりじゃない、きっと苦しいことのほうが多いとおもう。」
あらたまって真面目に話し始めた未沙をルイーゼは静かに見つめた。
「それでもね、私は、文化を失わないために、私達が当たり前だと思っているごく普通の生活を守って、みんなが幸せに暮らせる日を迎えるために、敢えて、地球を離れる決意をしたの。地球には、一度旅立ってしまったら、もう戻る事はできないかもしれないわ。あなたは、それでも私達と一緒に行ってくれるかしら・・・?」
ルイーゼは未沙の目を見て、笑顔で答えた。
「ええ。私が入隊した理由は、いま中佐がおっしゃったことですもの。」
未沙はルイーゼの答えに本当に嬉しそうに笑った。
「そう。よかった。・・じゃあ、これからもずっとよろしくね。」
「ええ。こちらこそ。ご迷惑かけないように、頑張ります。」
二人はにっこりと微笑み合った。

「さ、ギャリーくんにフェンデルくん、そろそろ帰るわよ。いくら明日うちの部隊が訓練休みだからって遅くまでお邪魔しちゃ、迷惑でしょ!」
ルイーゼに促されて、のろのろと2人は帰り支度を始める。
「えええ、俺もう飲めないですよおー」
「フェンデル、何寝ぼけてんだ、ほら、いくぞ。」
「おまえらまっすぐ宿舎に帰れよ。ルイーゼをちゃんと送ってやれよ。」
「はぁぁいー」
ギャリーはそれ程でもないが(意外と強いらしい)フェンデルのほうは酔って怪しい足取りだ。
ギャリーは眠ってしまいそうなフェンデルを背負うと、ルイーゼと一緒に玄関に立った。
「隊長、中佐、今日はありがとうございました。」
「また、来いよ。」
「中佐。」
ルイーゼが分かれ際に未沙に小声で囁いた。
なに?と未沙が目で答える。
「中佐といろんなお話ができて、とても嬉しかったです。・・・・私、中佐の直接の部下じゃないですけど…たまにお話させてもらいに来てもいいですか?」
未沙は、にっこりと微笑んで答えた。
「ええ。喜んで。なかなか時間が取れないのが残念だけど、また、時間が合えばお話しましょうね。」
そんな2人をからかうように、輝が口を挟む。
「ほお。いつの間にそんなに仲良くなったんだ?俺らが飲んでる間に何話してたんだか。」
「ナイショよ。」
いたずらっぽく答える未沙を、優しく見下ろす輝。
そんな2人を見て、それぞれいいなぁと思ったギャリーとルイーゼだった。
「あっ!」
突然思い出したように輝がギャリーに言った。
「おまえの彼女の話、聞くの忘れてたよ!すっかり訓練の話にはまっちゃったからなあ」
「彼女?!」
ルイーゼがへぇ、っとばかりにギャリーに目を向ける。
「ギャリーくん、彼女いたの?!」
「い、い、い、いないよ、あわわわ、もう、隊長、その話はもう、その、また、また次ってことで!
そ、それじゃ失礼します!!」
慌てて、頭をさげて玄関を出て行くギャリーをルイーゼも慌てて追いかける。
「ちょ、ちょっと、ギャリーくん、どうしたのよ!・・・し、失礼します!」
バタン、とドアが閉まった。

「・・・・・・・なんだあいつ?」

輝は、不思議そうにそう呟いて、3人が出て行った玄関を見つめた。

**

宿舎への道はしんと静まり返り、街頭の明かりだけがほのかに3人を照らしていた。
夏の夜道は涼しく、心地よい風に程よく酔いが覚まされていく。
フェンデルはギャリーの背で既に眠ってしまっている。

「・・・・さっきの話」
「え?」
「ギャリーくんって彼女いたのね。」
ルイーゼが悪戯っぽくギャリーの顔を覗きこむ。
ギャリーはさっきの慌て振りとは打って変わって、苦笑いしながら静かに答えた。
「・・・その話なら、違うよ。隊長が勝手にそう思いこんでるだけ。いないよ、彼女なんて。」
「そう。・・・ちょっと羨ましいな、って思ったから、聞いてみたかったんだけど」
「羨ましい?」
「そうよ。隊長と中佐も素敵なカップルだし、おまけにギャリーくんにも彼女がいるなんて、なんだかみんな楽しそうじゃない。フェンデルくんだって、前に好きな子がいるって言ってたし。」
ルイーゼはそういうと、夜空を見上げた。
「実はね、今日、中佐にどうして隊長と結婚されたのか、聞いてみたの。前から気になってたから。」
ギャリーは驚いた。自分も聞いてみたいと思っていた話だったからだ。
「そうなんだ。で、なんだって?」
「自分のことをとても大切に考えてくれるから、っておっしゃってたわ。言われてみると、本当にそうなのよね。隊長も、中佐も、お互いを大切に思ってて、とてもいいご夫婦だなって。羨ましくなっちゃった。」
「…実はさ、俺もこの間、隊長にどうして中佐と結婚したのか聞いてみたんだよ。」
「へぇ…。それで?」
「かわいいから、って言ってた。ただそれだけ、って。」
それ以上のことも喋らせてしまったのだが(笑)それについては伏せておいた。
「ふぅん。…中佐のこと、かわいいって言えるのは、隊長だけかもね。」
ルイーゼが悪戯っぽく笑った。
「・・・・ルイーゼはさ、どうなんだよ。」
「え?」
「羨ましい、羨ましいって言ってるけど、おまえはどうなんだよ?」
前を向いたまま、ぶっきらぼうにギャリーは尋ねた。
「レディにそんなこと聞くなんて失礼ねぇ。」
わざと怒ったように言うルイーゼに、ギャリーは慌てた。
「ご、ごめん・・。」
あははは、とルイーゼはその様子に小さな声をあげて笑った。
「うそよ、うそ。私ねぇ…残念ながら、全然ね。今は頭の中はバルキリーのこと、メガロード計画のことで一杯。隊長には絶対追いつけないけど、せめてギャリーくんたちに追いつけるように腕を磨かなきゃ。迷惑かけられないものね。
恋人はそりゃ、欲しいけど・・・。でも、隊のみんなと一緒だったら面白くて楽しくて、寂しいなんて感じないわ。いい仲間に囲まれて、私ほんとによかった♪」
ギャリーは少し緊張してルイーゼの答えを聞いていたが、ちょっと拍子抜けしてしまった。
『振られたってわけじゃないけど・・ま、仕方ないか・・』
静かに苦笑した。
「なぁに、その顔。私がきみに追いつけるわけない、とか思ってない?」
ギャリーの心の内など全然気がついていないルイーゼが鋭くつっこむ。
「ち、違うよ。…ルイーゼさ、おまえ、自分が思ってるほど、操縦下手じゃないぜ。」
「そう?」
「もっと自信持てよ。おまえみたいに確実に飛べるってことも大事なんだぜ。…リックやリュウみたいにテクニックがあっても無茶するやつらもいるじゃないか。」
「そう・・・?そう言ってもらえて少し安心したわ。」
そんな話をしながら歩いていたら、もう目の前は女性士官用の宿舎だった。
「送ってくれてありがとう。またね。おやすみなさい。」
「おやすみ。」

ルイーゼに手を振って別れ、ギャリーはすぐそばの自分達の宿舎へ向かった。
背中のフェンデルはさすがに重いが、眠っていてくれたおかげでルイーゼと2人っきりで話ができ、ちょっとばかりギャリーは彼に感謝した。
『仲間、ね。まあ、いいか。今はそれでも・・・・・』
彼は微笑むと夜空を見上げた。
深夜の空には満天の星が輝いていた。

**

「あーあ、あいつらまったく、やりたい放題していってくれたなぁ・・・」
頭をふきふきバスルームから出てきた輝は散らかったリビングを見ながら呟いた。
彼はタオルをダイニングテーブルにポンと置くと、ぶつぶつ文句を言いながら散らばったゴミや空き缶を片付け始めた。
未沙は、でもどこか楽しそうな、優しい表情をしている彼をキッチンで洗い物をしながら眺めていた。
部下達、というよりまるで後輩のような彼らのことを大切に考え、そして彼らに慕われている輝を少し羨ましく感じた。
「…輝はよかったわね。いい部下や仲間に恵まれて。」
未沙にそう言われて、輝は片付けの手を止め、彼女の方を振り返ると意外そうな顔をして答えた。
「そうかぁ?・・・まあ、あいつらはわりとかわいい方だよな。やんちゃな奴らもいて、結構大変なんだぜ、本当は」
「そう?でも、羨ましいわよ。私なんか、毎日へそ曲がりのおじ様たちが相手ですもの。」
ため息をつく未沙に、輝はわざと意地悪く答えた。
「なにいってんの。へそ曲がりはお互い様じゃないのか?」
「まぁ。ひどい。」
その言葉に少しむくれた未沙を優しくなだめる。
「嘘、嘘。冗談だよ。・・・それよりさ、未沙。」
彼はゴミをキッチンに片付けると、洗い物をしている彼女の隣に並んで彼女の顔を覗き込み、照れくさそうに、そして嬉しそうにこう言った。
「今日は本当にありがとう。あいつらも喜んでくれて、俺嬉しかった。」
輝の感謝の言葉に、未沙はふくれっつらから、うれしそうな笑顔に変わった。
「いいえ、どういたしまして。そう言ってもらえて私もうれしいわ。
…私にもなんだかかわいい後輩達が増えた気がするし。」
「そう。それなら、よかった」

二人は目を合わせると、柔らかく微笑み合った。




おわり
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コメント

拍手レス♪

びえりさん

コメントありがとうございます。
遅レスすみません。

そうですねー(笑)
きっと未沙はそんな自分たちの関係が好きなんでしょうね^^
「んもう、本当に仕方ないんだから」って。
そんな2人が私は大好きです*^^*

拍手レス♪

にゃおさん

こちらも読んでいただきありがとうございますi-228i-178
パーメモ、そうでしたね。にゃおさんのおっしゃるとおりだと思います。
少しずつ少しずつ自覚していって、やっぱりこの人じゃなきゃだめ!と思ったんだろうなあと。
まぁ、Partnersはそんなパーメモの空白の2年間を読んだ時の欲求不満を解消すべく(?)単にのろける輝を読んでみたい!という衝動で書き始めたお話だったのですが、のろける輝を書くときに、あの2人はお互いのどんな部分に惹かれて一生を共にしようと思ったのか考えたら面白くなって、こんなに長いお話になってしまいました(笑)
ボーズ君そうだったんですね!
実はギャリーとルイーゼは私のオリジナルキャラです。
(ギャリー君は皆さんにかわいがっていただいて、HANAさんの作品にも出させていただいてました)
ブラウン少佐、マリー、フェンデル、リック、リュウがHANAさんのオリジナルキャラです。
にゃおさんの作品に出演(?)できるチャンスだったのに残念!でもボーズくん、かわいらしくて私は大好きですよ!
またお話楽しみにしています。
丁寧なコメント、ありがとうございましたi-233

シリウスさん、こんにちは(^^)
やっぱり気になります?!ギャリー君とルイーゼちゃん、いぢろうと思いつつ、まだできないでいます。そのうちかければいいなあと思いながら。
気に入っていただけてよかったですv-344

ギャリーくんとルイーゼはその後・・・どうなんったんでしょうか?

何回読んでもいい話ですv-218
ふたりのどうして結婚したか・・・そんな理由が納得いく内容に
とっても満足してます~v-238色付きの文字

ギャリーくんはいいキャラですね・・
非公開コメント

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